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「Pop Art Ave」でのインタビュー(和訳)

アメリカの電子音楽のWebメディア「Pop Art Ave」にて公開された、私Ami-Biqueのインタビュー記事を和訳しました。

原文は下記URLからご覧いただけます。

https://www.popartave.com/post/let-s-get-to-know-ami-bique

 

以下、和訳版全文

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【Let's Get To Know Ami-Bique】

 

―モジュラーシンセサイザーの世界に入ったきっかけは?

元々、バンドをやりたいなーと考えていたんですよね。実際、Public Image Ltd.のような音楽を制作したりもしていました。しかし、正直言って、メンバーを集めるのがとても面倒でした。そこで、モジュラーシンセサイザーを使って、自分たちでバンドサウンドを作ることにしたんです。シンセサイザーは自由度が高いので、自分のアイデアを実現するのにぴったりだったんです。

 

ピカチュウのマイクが素敵ですね。さすがロックンロール・アメーバ、常軌を逸していますね。他に何か変わったものを使って音楽制作をしたことはありますか?

ボーカル用の機材はいろいろと試しました。そのひとつが、ピカチュウのマイクで、これは日本のKaseoさんという方がピカチュウのおもちゃを改造したものです。また、iPhone用の受話器をライブで使ったこともあります。ファーストアルバム『きょむりま』のボーカル録音には無線機も使いました。これらは決して高価なものではありませんが、安ければ安いほどハウリングが少ないので、楽器として重宝しています。普通は高価な楽器ほど良い音を出すので、これは面白い現象です。

 

―多彩なジャンルが融合した音楽をやり始めようと思ったきっかけは何ですか? また、どのように進化して現在に至っているのでしょうか?

自分を完璧に表現するためには、さまざまなジャンルの音楽をミックスする必要があり、その結果、このような音楽を作ることになったのです。最初(2015年~2016年)はiPadだけでノイズとラップを混ぜた音楽を作っていました。でも2016年にブラックメタルのCDをたくさん聴くようになり、そこからブラックメタルやパンクの要素もミックスした音楽を作るように音楽スタイルが変化していったんです。その過程で、モジュラーシンセをメインに使うようになりました。今でもいろいろなジャンルの音楽を聴いています。レゲエ、ソカ、ヒーリングミュージックなど。もしかしたら、次の作品はパーティーチューンやアンビエントミュージックばかりになるかもしれません。

 

―作曲はどのような方法で行っているのですか? 何度もジャムセッションをして思いつくのですか? それとも、もっと計算されているのでしょうか? もしくは、その両方を少しづつ取り入れているのでしょうか?

作曲に関しては、モジュラーシンセサイザーを適当にいじって、いい音が出たら一発録りしています。基本的には作曲の前にまず歌詞を書くのですが、シンセサイザーをいじりながら計算をして、歌詞に合った音を探します。ドラムの音は、DAWCubase)で打ち込んでいます。

 

―毎週、どれくらいの時間を音楽制作に費やしているのですか?

ほとんどかけていません。日々生活を送るだけで心が疲れてしまうので、音楽制作に割く時間がないのです。でも、その疲弊した日常が、私の最大のインスピレーションにもなっているんです。ある日突然、脳がクリエイティブになり、一気に歌詞を書き上げるんです。1時間くらいで終わるんですけどね。日常生活の精神的な疲れが、私をミュージシャンたらしめているのかもしれません。

 

―『Rock’n’Roll Amoeba』のレコーディングはどのようなプロセスで行われたのでしょうか?すべてご自身で録音されたのでしょうか?

サウンド部分(ドラムとシンセサイザー)はPCで録音しました。その後、友人の吉田仁郎(日本のバンド「ジョリッツ」のギタリスト)にボーカルを録音してもらいました。マスタリングも彼にやってもらいました。マスタリングについては、特に指示はしていません。

 

―これからブラックメタルのスタイルで歌いたいと考えているボーカリストに、何かアドバイスはありますか?

ブラックメタルのボーカリストのライフスタイルを真似るのではなく、発声法だけを真似して練習してほしいですね。いくつかのブラックメタルバンドのメンバーのように、精神病を患ったり(あるいは患っているフリをしたり)、麻薬や大麻に溺れたりしないで。どんな音楽でもそうですが、ミュージシャンのライフスタイルを真似るのは馬鹿げています。その人がその人らしい生き方で作った音楽だけが真実で、リアルな音楽になるんです。その発声法を「デスボイス」と呼ぶからといって、死を意識する必要はありません。「デス」という言葉は、音楽とは関係のない悪い要素を引き寄せてしまう気がするので、「デスボイス」という名前は他の言葉に置き換えるべきだと常々思っています。もしあなたがブラックメタルのボーカリストになりたかったらやるべきなのは、上手い人の発声法を真似して練習し続けるのみです。

 

―アルバムのトラックや曲順は、どのような考え方で選んでいるのですか?

とにかく聴きやすさを重視しました。ただ、1曲目の「Rock’n’Roll Amoeba」は自己紹介的な曲なので、最初から1曲目にすると決めていました。続く3曲は、聴きやすいような順番で並べました。最後の「In Fact,」は間に入れるには長すぎると思って、最後に置くことにしました。何度も繰り返し聴くことを前提に曲順を決めたので、結果的に飽きずに聴けるアルバムになったと思っています。それが本当かどうかは、自分の耳で確かめてみてください。『Rock’n’Roll Amoeba』のCD版は、commmonsmart(坂本龍一氏のレーベルが運営する通販サイト)で購入できます。また、デジタル版なら私のBandcampでも購入できます。SpotifyApple Musicなどの配信サービスでも聴けます。誰も作っていない、私だけの音楽を作りました。ぜひ聴いて、楽しんでください。

 

commmonsmart:
https://shop.mu-mo.net/mitem/AMIBIQUE-0001?jsiteid=CMM

Bandcamp:
https://ami-bique.bandcamp.com/album/rocknroll-amoeba

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